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Case3 高江洲潤先生

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多くの出会いが理学療法士としての一番の財産。


私が理学療法士となって、一番の財産は?と聞かれた際に挙げること…それは「多くの出会いがあった」ことです。
私は理学療法士になって16年目になりますが、これまで患者さんとのリハビリの中で多くのことを学ばせてもらいました。理学療法士は患者さんのリハビリテーションのお手伝いをし、それぞれの患者さんが歩む「リハビリテーション」という道の案内をできるだけ最短距離でする仕事だと考えています。その道程はただ無理やり私が患者さんを引っ張って案内するのでなく、場合によっては患者さんと一緒に二人三脚で歩いていくことも多くあると思います。そんなリハビリの中で私は患者さんとの会話をとても楽しみながら勤務してきました。これまでお会いした患者さんの大多数は私よりも人生の先輩でした。この先輩方がこれまでの人生で経験したことは、私にとってこれまた重要な道標でした。私が初めて一人暮らしをして自炊に苦労していた時にそのことを治療中につい漏らすと、料理のコツを教えていただいたり、結婚することになったときには結婚生活の心得を教えていただいたり、子供が生まれてからは子育てのアドアイスをいただいたり、病院周辺で生まれ育った患者さんからは病院が建つ前の周辺の様子について教えてもらったり…。
また、私は大学時代からアメリカンフットボールをプレーし、理学療法士になってからも社会人のアメリカンフットボールチームに所属していたのですが、「昨日の試合は勝ったの!?」「え!勝ったの!よかったわね!!」と、アメリカンフットボールをあまり知らない患者さんも、チームの勝利をまるで自分のことのように喜んでくださったりもしました。「アメフトのことはよくわからないけど、入院中はなんかうれしい話題を聞けた方が気持ちが盛り上がるのよ」その患者さんからそのような言葉をいただいたときにとてもうれしくなったことを今でもおぼえています。このような形で、大勢の患者さんから治療の経験以外にも本当に多くのことを教えていただきました。

私が東都リハビリテーション学院の教員になって9年が経過しました。ここでも日々多くの出会い・発見・反省があります。例えば講義についても、私がどんなに下準備をして講義に臨んでも、私の考えを学生に一方的に伝えることは、決して教育ではないということもここで学ばせてもらいました。自分が病院のリハビリ室で経験した二人三脚で進むこと。これは教育現場でも、リハビリ室でも一緒だと感じました。



理学療法士として重要なことは、患者さんの悪いところでなく、良いところ、出来るところを見つけることから始まります。

今は亡き私の祖父は、長年故郷沖縄で教員をしていました。孫の私から見て祖父は「すぐに知り合い、仲間を作ることができる人」でした。相手の年齢や性別はもとより、相手が外国の人でもいつの間にか友達関係を築きあげる人でした。
祖父はいつも私のことを褒めてくれました。例えそれが私の失敗した出来事であっても、その中から何かしらいい部分を見つけてくれて、ポジティブな感想を聞かせてくれました。
 理学療法士となって私が重要と考えること。それは患者さんの悪いところでなく、良いところ、出来るところを見つけることだと考えます。それは養成校でも同様です。
 リハビリのプロフェッショナルとして、時に患者様をけん引することは必要かもしれませんが、今後もこれまでお会いした患者さんとの経験を糧に精進していきたいと思います。

高江洲 潤 先生

理学療法士
北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科理学療法学専攻卒

担当科目
理学療法概論・病態運動学・理学療法評価法・疾患別理学療法Ⅰ

専門分野
理学療法全般
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