特集|新型コロナウイルス感染症と理学療法士の職場環境について

新型コロナウイルス感染症と理学療法士の職場環境について
本ページでは、新型コロナウイルス感染症と理学療法士に関する情報をご紹介いたします。新型コロナウイルス感染症の状況は日々変化しており、その情報も日々更新されており情報量は膨大になっています。しかしその正確性は玉石混淆の状態であり、適切な情報を得るのは容易ではありません。このような現況において、医療従事者の養成施設だからこそ、正確な情報を紹介して社会に貢献する必要があるのではないかと考え、新型コロナウイルス感染症に関する情報提供のコーナーを作成しました。このコーナーでは、根拠が明らかになっている情報について学校で得られたものを随時、更新していきますのでご覧ください。

1.(公財)日本理学療法士協会「新型コロナウイルス感染症に関するアンケート結果」より

※以下に記載する内容は、2020/8/14現在のものです。今後の情勢の変化により、急遽変更させていただく場合がございますこと、ご承知おきください。

公益財団法人 日本理学療法士協会では新型コロナウイルス感染予防の一環として、全国の理学療法士が働く現場に実施したアンケート(公益社団法人日本理学療法士協会「新型コロナウイルス感染症に関するアンケート結果」2020年5月24日実施)結果から、施設内におけるリハビリテーション部門の感染の危険は非常に少ない状況にあるといえます。

このことは、感染症に対して第一線で勇気を持って対応している医師および看護師等の医療従事者の行動によって、理学療法を必要とする患者様と我々理学療法士が働く現場が守られているからだと捉えることができます。世界的危機という未曾有の状況で直接治療にあたっている医師や看護師等の医療従事者にはこの場をかりて感謝の意を表します。

理学療法士は今後も感染対策を実行しながら、安全な環境で理学療法を必要とする方々への貢献が求められます。本校では、在学中からも状況にあわせた感染対策を意識して取り組んでおります。日々の検温、手洗い方法、マスクの着用、換気、飛沫防止、3密を避けた行動様式等、その積み重ねが卒業してからも習慣となり、自身はもとより周囲の方々の安全確保に繋がっていくと考えます。




公益財団法人 日本理学療法士協会は、2020年4月17日から5月6日までに実施したアンケートに回答が得られた42都道府県209件の結果を公表した。

1.回答が得られた施設形態では、病院が71.8%と多く、複合施設、診療所、感染症指定病院などが6%前後であった。その他の施設としては、老人福祉施設、医療福祉中間施設、訪問看護ステーション、大学などであった。

2.回答の得られた209件の中で、新型コロナウイルス感染患者を受け入れている施設は62件29.7%、受け入れていない施設は145件69.4%、無回答の施設は2件1.0%であった。

3.新型コロナウイルス感染患者を受け入れている施設62件29.7%の中で、リハビリを実施している施設は14件22.6%、リハビリを実施していない施設は48件72.6%であった。アンケートに回答のあった209件で見ると、リハビリを実施している施設は14件6.7%となり、リハビリを実施していない施設は195件93.3%となる。リハビリを実施している施設においては、新型コロナウイルス感染患者に対応する理学療法士基準が策定されており決められた理学療法士が対応する。対応する目的は、廃用予防がほとんどである。

新型コロナウイルス感染者を受け入れていない施設と、受け入れているがリハビリを実施していない施設の件数を合わせると、195件となり、93.3%の理学療法士は、新型コロナウイルス感染者と施設内において業務上直接接触することは少ない。新型コロナウイルス感染者に対応している施設14件6.7%の理学療法士は、新型コロナウイルス感染者と接触する人員が決められており、毎日の健康管理、PPE(個人用防護具)を理解しているなどを考慮して人選を行っており感染拡大を防止している。

詳細はこちらをご参照ください。

2.A施設における新型コロナウイルス感染症に対する取組

※以下に記載する内容は、2020/8/14現在のものです。今後の情勢の変化により、急遽変更させていただく場合がございますこと、ご承知おきください。

A施設は関東圏にあるベッド数200床弱の地域医療にも力を注ぎ、住民の医療と健康に貢献している地域中核病院です。A施設での新型コロナ感染症対策について、2020年8月11日に電話にてインタビューを行い質問に対応いただきました。
A施設は新型コロナウイルス感染症患者様の受け入れを行っておらず、リハビリテーション部門でも新型コロナウイルス感染症患者様と接触する機会はありません。

1. 施設の受付について
発熱をしている患者様は受付をせずに、保健所か新型コロナウイルス感染症コールセンターおよび発熱外来を実施している病院に相談するように促している。発熱をしていない患者様でも施設入口を通る際に非接触型体温計により体温を測定している。検温と同時に確認するのは、マスクの着用と施設の入り口を通る際に手指消毒を実施したか確認している。未実施の場合マスク着用、手指消毒を促す。



2. 入院患者様の面会について
施設入口を通る時に検温、マスク着用、手指消毒の確認を行い問題が無ければ許可を出す。面会は、家族1名で15分以内にしている。お見舞いについては現在禁止している。

3. リハビリテーション部門について
職員に毎朝の検温と勤務中のマスク着用を義務づけている。患者様に対応する場合、標準予防策に準じて対応するようにしており、髪、顔などに手を触れないようにする。患者様の対応が終わった後に、1患者1手洗いとして直ぐに手洗いを実施している。手洗いは肘から指先までを石鹸で隙間なく洗い流水で30秒以上洗い流している。今まで話した内容は、標準予防策に書かれていることで、職員教育の一環としての勉強会においてリハビリテーション部門の職員に周知徹底するようにしている。また、消毒についても勉強会において実地を含め周知している。患者様対応終了後に、患者様が触れた治療用具、ベッドなどの消毒を実施することが最低限の感染対策であると指導している。一番大事なことは、治療者が感染しないこと、感染源にならないことと指導している。


4.インタビュー後の感想
施設自体で新型コロナウイルス感染症の患者様を受け入れていない状態でも、感染症を拡大しないという思いで対応していることがうかがわれた。リハビリテーション部門における話では、感染症に罹患しないこと他者にうつさないことを何度も口にしており、医療職として理学療法士の認識の高さが感じられた。また、施設内の対応だけでなく生活における感染対策についての注意を職員にしているとの話も聞き職員一人一人が感染症に対する考えをしっかりと持てるようにしていることがうかがえた。

ご協力ありがとうございました。

3.B施設における新型コロナウイルス感染症に対する取組

※以下に記載する内容は、2020/8/28現在のものです。今後の情勢の変化により、急遽変更させていただく場合がございますこと、ご承知おきください。

今回は関東圏にある地域の急性期医療を担っているB施設のリハビリテーション部門の部長(理学療法士)に電話でインタビューを行いました。B施設は新型コロナウイルス感染症の患者様を受け入れており、インタビュー日の2020年8月3日時点で、受入数が少しずつ増えてきているようです。


1. 施設について

B施設は新型コロナウイルス感染症患者様の受け入れを行っていますが、基本的には保健所からの連絡により受け入れるため、発熱などの症状があって直接診察を目的に来院される場合は、施設入口横にある発熱外来の診察室に誘導されます。そのため、他の病気で外来受診される方との接触は極力さけることが可能です。そのほか、新型コロナウイルス感染症対策として、面会人数や時間の制限は厳格に行っているとのことです。

※発熱外来について
発熱、咳や倦怠感などの症状がある場合は、施設入口で症状を確認し、そのまま施設外の仮設テントの待機所に案内されます。その後、施設入口横にある診察室で診察となりますが、発熱外来への入り口は、施設入口とは別個になっていて、看護師が帯同し感染予防を行いながら、医師による遠隔診察を行います。入院が必要と判断された場合、隔離病棟に入院となります。

※その他の診察について
施設入口では、常時職員を3~4人配置して検温とマスク装着の確認を行います。入口を区切ることで入口と出口を分け一方通行とし、来院と帰院される方の接触を避けています。



2.リハビリテーション部門について

新型コロナウイルス感染症患者様は、症状の回復が最優先であり、陽性である間にリハビリ
テーションを行うことはほとんどありません。B施設では、直接リハビリテーション部門が患者様と接触する機会はないとのことでした。

①感染予防対策について
リハビリテーション室への入室の際には患者様もマスクの着用を義務付けています。職員はマスク着用のほか手指消毒ジェルを携帯し、機器やベッドに接触したら使用することを徹底しています。新規患者様に対応する担当職員は飛沫感染予防として保護メガネの着用を義務化しています。担当外の職員には保護メガネの着用までは義務化していませんが、2/3の職員が業務中に保護メガネを着用するなど、感染予防に対する意識は高い所にあります。室内は換気のため悪天候を除き、窓を常に開けていますが、冷房も入れています。原則朝、昼、夕方の3回はリハビリテーション室の消毒を徹底して行っており、そのほか使用したベッドやリハビリテーション機器は、必要に応じて消毒しています。

②体調管理と情報共有
職員全員が毎朝、検温や体調を記録しチームに報告し情報共有を行っています。少しでも体調に異変がある場合は積極的に休みを取るよう指導しているとのことです。

③意識の強化
生活上での禁止事項や制限事項を作成し、箇条書きにて内容を提示することで意識化を行っています。

④資料写真
症状のある患者様の待機仮設テント(イメージ)
発熱外来
帰国者・接触者外来(地下駐車場)



3.施設の職員教育

新型コロナウイルス感染症患者様の受け入れにあたり、コロナ対策本部を立ち上げ、院長をはじめとした各部門長が参加して常時対策を講じています。重要な決定事項は各部長を通して全職員に伝え、情報の共有を徹底します。リハビリテーション部門は電子カルテのメールなどを利用して、部門内の職員に報告や連絡を毎日行うようにしています。



4.インタビュー後の感想

話を聞いていて医療職として新型コロナウイルス感染症に対して感染しない、感染させないという思いが感じられました。リハビリテーション部門において、感染対策、消毒、自己管理などさまざまな対策が実施されていて、安全に患者様に対応できていると感じました。患者様が安全・安心にリハビリテーションを受けることは重要なことだと実感させられました。これらのことより、理学療法士が働く現場は安全だと確信した。

ご協力ありがとうございました。

本ページに関するお問い合わせ

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東都リハビリテーション学院
副学院長 小野 晋

☎ 03-3468-4656
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