※以下に記載する内容は、2020/8/28現在のものです。今後の情勢の変化により、急遽変更させていただく場合がございますこと、ご承知おきください。今回は関東圏にある地域の急性期医療を担っているB施設のリハビリテーション部門の部長(理学療法士)に電話でインタビューを行いました。B施設は新型コロナウイルス感染症の患者様を受け入れており、インタビュー日の2020年8月3日時点で、受入数が少しずつ増えてきているようです。
1. 施設についてB施設は新型コロナウイルス感染症患者様の受け入れを行っていますが、基本的には保健所からの連絡により受け入れるため、発熱などの症状があって直接診察を目的に来院される場合は、施設入口横にある発熱外来の診察室に誘導されます。そのため、他の病気で外来受診される方との接触は極力さけることが可能です。そのほか、新型コロナウイルス感染症対策として、面会人数や時間の制限は厳格に行っているとのことです。
※発熱外来について発熱、咳や倦怠感などの症状がある場合は、施設入口で症状を確認し、そのまま施設外の仮設テントの待機所に案内されます。その後、施設入口横にある診察室で診察となりますが、発熱外来への入り口は、施設入口とは別個になっていて、看護師が帯同し感染予防を行いながら、医師による遠隔診察を行います。入院が必要と判断された場合、隔離病棟に入院となります。
※その他の診察について施設入口では、常時職員を3~4人配置して検温とマスク装着の確認を行います。入口を区切ることで入口と出口を分け一方通行とし、来院と帰院される方の接触を避けています。
2.リハビリテーション部門について新型コロナウイルス感染症患者様は、症状の回復が最優先であり、陽性である間にリハビリ
テーションを行うことはほとんどありません。B施設では、直接リハビリテーション部門が患者様と接触する機会はないとのことでした。
①感染予防対策についてリハビリテーション室への入室の際には患者様もマスクの着用を義務付けています。職員はマスク着用のほか手指消毒ジェルを携帯し、機器やベッドに接触したら使用することを徹底しています。新規患者様に対応する担当職員は飛沫感染予防として保護メガネの着用を義務化しています。担当外の職員には保護メガネの着用までは義務化していませんが、2/3の職員が業務中に保護メガネを着用するなど、感染予防に対する意識は高い所にあります。室内は換気のため悪天候を除き、窓を常に開けていますが、冷房も入れています。原則朝、昼、夕方の3回はリハビリテーション室の消毒を徹底して行っており、そのほか使用したベッドやリハビリテーション機器は、必要に応じて消毒しています。
②体調管理と情報共有職員全員が毎朝、検温や体調を記録しチームに報告し情報共有を行っています。少しでも体調に異変がある場合は積極的に休みを取るよう指導しているとのことです。
③意識の強化生活上での禁止事項や制限事項を作成し、箇条書きにて内容を提示することで意識化を行っています。
④資料写真 | | |
症状のある患者様の待機仮設テント(イメージ) | 発熱外来 | 帰国者・接触者外来(地下駐車場) |
3.施設の職員教育新型コロナウイルス感染症患者様の受け入れにあたり、コロナ対策本部を立ち上げ、院長をはじめとした各部門長が参加して常時対策を講じています。重要な決定事項は各部長を通して全職員に伝え、情報の共有を徹底します。リハビリテーション部門は電子カルテのメールなどを利用して、部門内の職員に報告や連絡を毎日行うようにしています。
4.インタビュー後の感想話を聞いていて医療職として新型コロナウイルス感染症に対して感染しない、感染させないという思いが感じられました。
リハビリテーション部門において、感染対策、消毒、自己管理などさまざまな対策が実施されていて、安全に患者様に対応できていると感じました。患者様が安全・安心にリハビリテーションを受けることは重要なことだと実感させられました。これらのことより、
理学療法士が働く現場は安全だと確信した。ご協力ありがとうございました。