【特集】世界で活躍する本校卒業生!

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町田 渓谷 さん
東都リハビリテーション学院 理学療法学科1部卒業生
独立行政法人国立病院機構 関東信越ブロック信州上田医療センターリハビリテーション科
独立行政法人 国際協力機構(JICA) 青年海外協力隊(JOCV)

自己紹介

2008年 東都リハビリテーション学院に入学し、2011年 東都リハビリテーション学院 卒業 。2011年 理学療法士国家資格取得。2011年 独立行政法人 国立病院機構 関東信越ブロックに就職。信州上田医療センター リハビリテーション科 へ配属。2014年 日本糖尿病療養指導士 取得 2015年 3月 信州上田医療センター 自己啓発休業制度を使い休職。2015年 7月 独立行政法人 国際協力機構(JICA) 青年海外協力隊(JOCV)で理学療法士(以下、PT)としてサモア独立国へ派遣 され、現在 サモアのローカルNGOにてCBR事業を現地スタッフとして、主に小児を中心として、全国を周り、評価、治療法、衛生管理等をスタッフや地域住民へ指導している。

理学療法士への動機

高校時代、PTは「絶望の淵に立っている人に寄り添う事が出来る仕事である」だと感じて興味を持ちました。私は当時、脳梗塞である日突然、半身が動かなくなる状況をイメージしました。もしそうなったら絶望し、これからの人生設計、明日の不安、何もかも白紙になりどうしていいかわからないではないのでしょうか。そんな時に自分の持てる知識、技術を通して、その方々の希望を共に探せる仕事ではないかと感じ、志望しました。

東都リハビリテーション学院の印象

正直、そんなにちゃんとした理由は無かったと思います(笑)。ですが、生意気な態度にも関わらず、大きな器で指導してくださった、学院長はじめ先生方の元で学べた事は大変良かったと今でも思っています。 実習でも苦労した時も助けてくださったのは先生方でした。特に解剖や運動器系の授業は他学と比べても高い水準にあったなと感じてます。そしてスポーツをやっていたバックグラウンドを持つ人が多い印象があり(私はありませんでしたが)、熱い同期に恵まれ、切磋琢磨できた事が今の自分に繋がってると思います。今でも付き合いがあり、知識の共有や情報交換をしたりしています。

卒業後、どのような志を持ち、どのようなキャリアを歩まれましたか。

私は急性期病院に興味があり、様々な疾患を経験したかったので総合病院を選択しました。そこで上司や先輩の影響もあり、小児や糖尿病に興味を持ち、小児専門病院で半年の研修を受けたり糖尿病の資格取得などを行いました。ただ何か充足感が足りず、次なる目標を探してる中で興味を持ったのが海外でした。 言葉も文化も違う世界で自分がどこまで通用するのかしないのかに興味を持ち、飛び出して見て今があります。

世界から見た日本の医療(特にリハビリ)について、感じることはありますか?

日本はかなり高い水準の医療をかなり低額で、かつすべての国民が享受できる国だと思います。リハビリ分野で言っても、理学療法士の資格取得者数は世界でも非常に多い方でしょう。もちろん近年、質の低下などの問題は叫ばれてますが、それでも世界的には高い水準にあると私は感じます。

日本から見た世界の医療(特にリハビリ)について、感じることはありますか?

そもそもPTのようなリハビリテーション関連職種がない国もまだ沢山あります。私のいるサモアで言えば、一般国民にはリハビリテーションの概念がほぼないです。日本でもPTの知名度はまだまだ高くないですが、リハビリに関してはだいぶ知名度が上がってきたように感じます。ですが途上国では一般市民ではまだまだリハビリ受けるという概念がない国もあります。 また怪我をしても、脳卒中を患ってもリハビリテーションを享受する機会はまずありません。一応、国立病院に理学療法士は3人いますが、現場に出ているのは2人だけで、ほとんどの方はリハビリを受けることはないです。国内に養成機関はないので、外国で学ぶ必要があり、奨学金取得が必須となり中々難しい現状です。 そして小児リハビリテーションに関しては私の所属するNGO以外はノータッチです。大人もそうですが、特に小児リハビリテーションに関しては政府の手が回ってないのが現状です。 この国でアメリカをはじめ、ヨーロッパ、オセアニアのPT.OTと働く事も多いですが、修士号を持ってる方が多い印象があります!みな何かに特化してる人が多いです。もちろんジェネラリストも居ますが、スペシャリストの方が多いようです。

東都リハビリテーション学院で学ぶ在校生へのメッセージをお願いします。

日々の勉学を楽しみましょう(笑)。私は人生で一番勉強が楽しかったのが東都リハビリテーション学院の学生時代でした。国家試験は学校の勉強を1年生からしっかりやっていれば、はっきり言って楽勝です。笑 よーく考えてください!7〜9割が全国で受かるんです。東都でも9割以上が受かるんです。学校でドベ(ビリ)に居なきゃ受かります。そして国家試験はあくまでも関門で肝心なのはその後です。 学校の座学が苦手でも、国家試験がギリギリであろうとも受かればみんなPTです。ただ、現場に出る以上、患者さんに対して責任があります。PTを目指してるみなさんならわかりますよね?この責任の意味(笑)!今でも思い出す、ある先生の言葉があります。「技術のないPTはそれだけで罪だ」 なんとも強い言葉ですが、私は忘れちゃいけないなと思います。 そして勉強時間がそんなにも確保されてるのも今だけです。仕事をし始めるとその間に勉強をするので時間が足りなくなります。 でも勉強だけじゃなくて、やりたいことはなんでもやってみてください!「やらないで後悔するより、やって後悔する方がマシ」だと私は思います。 そして広い視野を持ってください。医療界は閉鎖的で、かつ偏った世界だと思います。どんな人にも寄り添うにはその人を理解しなければいけません。色んな価値観にふれ、色んな人にあって自分の幅を広げてください。 そして働くフィールドは色んなところにありますよ!

これから理学療法士を目指す人へのアドバイスをお願いします。

まず、この仕事に興味を持ったことに敬意を示したいと思います。今持ってる志を大事にしてください。これから辛い時やキツイ時が必ずあります。でもその志しを立てた時を思い出してください! 理学療法士は資格取得者の人数が多いという意味では飽和状態と言われています。なんとなく「国家資格やし安定するやろ〜」ぐらいの気分だと後悔すると思います。でも仕事はあります。 私の職場の先輩の方で脱サラして理学療法士になられた方がいます。なぜ理学療法士になられたのか話してた時のその方の言葉ですが「仕事して、心から感謝され、そんでもってお金もらえるなんて、そんな仕事そんなにはない」。前職では、感謝されても営業トークや上っ面の感謝であったようですが、患者さんからの感謝の言葉は本当に泣ける時があるのは私も同感です。 仕事において何に価値観を見出すか、それを考えられると理学療法士が自分に向いてるのか否か自ずと見えてくると思います。

長々と書きましたが、世界に出てみると日本を俯瞰して観れます。長所短所ありますが、日本は本当に恵まれてると思いました。それは悪いことではなくそのチャンスを活かしましょう。 もし理学療法士として海外(特に途上国)に興味のある方は青年海外協力隊は良いツールだと思います。ただ、経験年数は最低3年以上必要で、案件によっては5年以上のものもあります。 もちろんリスクもあるのでそこも踏まえて、考えてください! 絶対に日本ではできない経験を積めます。良いものも悪いものも。笑

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