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【特集】「投球障害の経験から研究へ、そして世界へ」世界理学療法士学会2025で本校卒業生が発表!

お知らせ

※写真は工藤先生よりご提供いただきました。

2025年5月29日(木)~31日(土)、東京国際フォーラムにて開催された世界理学療法士学会(World Physiotherapy Congress 2025)にて、本校卒業生の工藤亮平先生(第2020年度卒業/現 広尾整形外科)が登壇し、研究発表を行いました。

関連:工藤先生の卒業生インタビュー


開催概要(Tokyo大会)
日時2025年5月29日(木)~31日(土)
会場東京国際フォーラム(東京都)
主催World Physiotherapy、共催:日本理学療法士協会(JPTA)
特徴1999年の横浜大会以来、四半世紀ぶりの日本開催となります



工藤先生が発表されたテーマ
「野球の投手における投球後の肩・下肢の筋回復過程に関する報告」

近年、野球界では「投げ過ぎ」による故障が深刻な課題となっており、投球数の制限が導入されるなど、故障予防に注目が集まっています。しかしながら、投球後の回復過程(リカバリー)に関する明確な基準や有効な研究は、まだ十分に蓄積されていないのが現状です。工藤先生は、ご自身が中学生時代に「投げ過ぎ」で肘を手術した苦い経験からこのテーマを選び、「同じような思いをするアスリートを減らしたい」という強い思いを胸に、研究を続けてきました。



工藤先生のコメント

2年前、学生時代にお世話になったバイザー(臨床実習指導担当)の私市直人先生(元・広尾整形外科)から、20年以上ぶりに日本で国際学会が開催されるという話を聞き、挑戦してみないかと声をかけていただいたのがきっかけでした。

発表では、野球の投手における投球後の肩と下肢の筋肉の回復過程について報告しました。近年、投げすぎによる故障が問題となり、球数制限の議論が進んでいますが、リカバリーの明確な基準はまだ確立されていません。自分自身も中学生のときに肘を手術し、悔しい思いをした経験があり、同じような思いをする選手を少しでも減らしたいという気持ちから、このテーマに取り組みました。

初めて国際学会に参加し、世界のリハビリ現場を肌で感じることができました。日本で課題となっている問題が、実は世界共通の悩みであることにも気づかされました。

一方で、言語面では、日本は先進国でありながら遅れをとっていると感じました。世界中の専門家とより良い議論をするためには、英語力の重要性を強く実感しています。

学生時代の自分は、決して優秀なタイプではありませんでした。今回の挑戦も、自分には難しいのではないかと感じる場面もありましたが、できるかできないかではなく、まずはやってみることが大切だと改めて感じました。

今回の経験を糧に、これからも挑戦を続けていきたいと思います。そして、後輩たちには、「自分にもできるかもしれない」と、自分の可能性を信じて一歩踏み出してほしいと思っています。



工藤先生の挑戦と発信は、本校の教育の“その先”を体現してくれるものであり、私たち教職員にとっても大きな励みとなりました。

国際舞台での活躍は、在校生にとっても大きな刺激となり、将来の選択肢の広がりを感じさせる貴重なニュースです。
工藤先生のさらなるご活躍を、東都リハビリテーション学院一同、心より応援しています。



工藤先生からご提供いただいた写真